10月某日、N年ぶりに友人の結婚式に参加するために、スーツを着ることに。あれ…、おかしい。パンパンだ。仕方がないので、最寄りのAOKIへ。店員さんが一言、「大きいサイズにしましょうか」そして結婚式での集合写真には、はちきれんばかりにむちむちの僕が写っていた。
体重計による測定から推定される体重の増加率は、1年間に約10kg。このような急激な増加はこれまでに観測されていなかった。つまり、ここ一年間で生じた「外的要因による体重増加」であると考えられる。そう、私は「コロナ太り」の真っ最中であった。
さて、大切なのは原因究明よりも、爆発的体重増加をどのように抑制するのかである。
困ったら銀河に聞いてみよう。
爆食いする銀河
我々の住む天の川銀河の、暗黒物質を除く体重はおよそ太陽1000億個程度、1年間の体重増加率はおよそ太陽1個分くらいらしい。しかし、1年間に太陽1000個以上体重増加している銀河も見つかっているという。このような爆発的体重増加の原因は、「銀河衝突」らしい。他の銀河から干渉され、ストレスで爆食いが始まるそうだ。なんだ、銀河もちょっとした環境の変化で爆食いしてしまうのか。少し親近感が湧いた。
銀河の爆食い抑制法は、至ってシンプルだ。僕のご馳走がきんっきんに冷えたビールであるのに対して、銀河にとってのご馳走はきんっきんに冷えた(約-260℃)水素分子ガスだ。銀河の爆食いを強制的に抑制するために、銀河中心に存在する超巨大ブラックホールが活躍するらしい。超巨大ブラックホールの莫大なエネルギーによって、ご馳走であるガスを周囲に吹き飛ばす。さらに、ただ吹き飛ばすだけではなく、ちんちんに熱するのである(1万℃以上)。つまり、銀河は目の前にあるご馳走をブラックホールによって強制的に剥奪されることで、爆食いを抑制しているのだ。(超巨大ブラックホールがご馳走を「吹き飛ばす」と聞いて、疑問に思った人は天文学者としてのセンスあり。ブラックホールって、なんでも吸い込んでしまうんじゃないのか?)
天文学者流ダイエット
銀河流爆食い抑制術を実践するためには、目の前にあるビールをぶち撒いて熱して飲めない状況にしないといけない。。。だめだ、僕にはそんなことできない。しかも、僕の胃袋に存在するブラックホールは、ただただ周囲のご馳走を吸収するだけのようだ。銀河流は人間にはなかなか実践が難しそうだ。しょうがない、人間流ダイエット方法について考えるとするか。
私のダイエット方法は至ってシンプルだ。銀河のように、ご馳走を台無しにするのではなく、「たくさん運動する」ことを心がけている。継続的に運動するコツは、運動を「数値化」することである。数値化の最強アイテムは「Apple watch」だ。目標は、Apple watachが計測する1日平均の運動消費約1000 kcal。自宅から最寄り駅までの約2kmを徒歩。エスカレーターは使わない。昼食はわざわざ少し遠い食堂まで。研究の合間の休憩はチョコレートを食べるのではなく、20分ほど散歩。帰宅時は3駅前で下車して約5kmのランニング。このルーティンで大体1日900kcal程度である。休日にたくさん運動して、1日平均1000kcalを目指す。
休日の消費カロリー例は 、
- ウォーキング: 7時間、28km、1600kcal
- ランニング: 2時間半、18km、1400kcal
- サイクリング: 淡路島一周、一泊二日、150km、3600kcal
- サイクリング: 大阪-奈良往復、5時間、70km、1500kcal
- ウォーキング: 大阪環状線一周、7時間
これらの運動の結果、以下のように1ヶ月で約4kgのダイエットに成功した。わざわざご飯を台無しにしなくても、たくさん動けば痩せるではないか!!! 人間はすごいな。
まとめ
サンタさん、プレゼントは必要ないので、お腹に溜まった悲しみを取り除いてください。
# 銀河はご馳走をブラックホールに台無しにされ、体重増加を抑制している # 銀河流体重増加抑制方法は人間には厳しい # 人間は運動すれば痩せる # 引き続き、ダイエット頑張ります
執筆者紹介
執筆:みちなり
某大阪にある大学で銀河やブラックホールの研究をしている。宇宙で一番可愛いのは百田夏菜子(自明なので証明する必要なし)
この記事はAstro Advent Calendar 2021の企画記事です。
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