【Astro Advent Calendar12/12】肉眼でいい(リコット)

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私は高校を卒業するまで、天文に全く興味がありませんでした。

でも今は、天文の魅力にどっぷり浸かっています。

そう、私は出会ってしまったんです。――「無印良品」に。

星は眼中にない

……ご安心ください、「Astro Advent Calendar 2021」の記事で合っています。ブラウザバックする前に、もう少し私のこれまでの話を見ていってください。

私は田舎で生まれ、田舎で育ちました。どのくらいの田舎かというと、「電車の時刻表を暗記できる(1時間に1本)」「食料自給率100%超え」「無印良品の店舗がない」くらいの田舎です。星がきれいに見えたかどうかは覚えていません。

得意教科だった数学を活かして高校受験、大学受験を突破した私は、都会の大学に進学してからも「数学の勉強をするぞ」と意気込んでいました。電車で大学に通っていた友人が「家の最寄駅には電車が3分に1本は来るのに、大学の最寄駅では次の電車まで10分も待たないといけない。遅すぎる」と言っていたのが今でも忘れられません。入学式を終えた春、大学生の定型文と言っても過言ではないですが、私は何かしらの資格を取得したくなりました。資格取得のための講座が存在するほど資格試験に溢れている時代、私はこう思うのです。

「宇宙に関する資格をとりたい」

でした。なぜそんな思いになったのか、これは現在もなお未解決問題なのです。今思えば、たしかに高校の帰り道にオリオン座くらいは見たし、『木星』の生演奏を聞いたこともある。夏の大三角の存在は認識していたけれど、何座の何とかは全く言えなかった(そもそも言おうとしたことがないので「言えなかった」と思ったことはなかった)。そんな私が、なぜ「宇宙に関する資格」という思いに至ったのか。この問題も、天文学に触れ続けていれば、いつか解決する日が来るのでしょうか。

ともかく「宇宙に関する資格」を調べた私は、「天文宇宙検定」「星空宇宙天文検定」「星空案内人資格認定制度」を発見しました。しかし生き急いでいた私にとって選択肢なんてものは存在せず、そのとき募集があった「星空案内人」一択。そうして流れるように天文の世界へ飛び込んだ私ですが、そこで驚愕の事実を目の当たりにします。

――ここでは「子どもの頃から天文が好きだった」のが常識なんだ。

……いや、すみません。さすがに言いすぎました。人見知りだった私が当時の受講者全員の経歴を知っていたわけではありませんし、それが常識だ、などと講座で言われたわけでもありません。

でも、周りの人から天文や宇宙にかける熱量をひしひしと感じたのは事実です。それに対して私は、自分の望遠鏡を持ったことはないし、「子どもの頃から天文が好きだった」ステータスもない。多少の引け目を感じながらも、かろうじて受験勉強の勢いが残っていた私は一心不乱に勉強し、無事に星空案内人(準案内人)を取得することになります。実はこれがきっかけで大学の学科まで変更することになるのですが、それを書き始めると年を越してしまうので、またの機会に。

星が眼中に入る

「天文」を意識するようになった大学生活、音楽サークルに所属していた私はその後望遠鏡を買ったりプラネタリウム巡りをしたりすることはなかったものの、そつなく卒業研究を終えて大学を卒業しました。大学で打ち込んだものというのは多かれ少なかれその後の人生に影響するもので、もし今、街頭インタビューで「大学時代に打ち込んだことは?」と聞かれたらおそらく「天文」「音楽」そして「無印良品」と答えるでしょう。

「無印良品」を知っていますか?(※この記事はプロモーションではありません)

「無印良品」とは何か、それを知るためにはWebサイトを見るのが近道です。

無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくことです。
「これがいい」には微かなエゴイズムや不協和が含まれますが「これでいい」には抑制や譲歩を含んだ理性が働いています。
しかしながら「で」の中には、あきらめや小さな不満足が含まれるかもしれません。
無印良品は「で」の中にある小さな不満足を払拭し、明晰で自信に満ちた「これでいい」の次元を目指します。

(What is MUJI?(無印良品)https://www.muji.com/jp/about/ より引用)

無印良品の白いシャツを着るようになってから間もなくこの文章に出会った私は、無意識にこれまでの人生と重ね合わせていました。苦手科目の英語を避け、数学を武器に受験の舞台に立ったこと。幼い頃からの興味ではなく、新たに蓄えた知識ベースで天文に立ち向かったこと。これってもしかしたら「自信に満ちた譲歩」だったのかもしれない。

天文に携わると、「昔から宇宙が好きだったこと」「自分の望遠鏡を持っていること」がステータスとして見られることが少なくありません。たしかに、機材や経験があるに越したことはありませんし、興味の幅を広げるためには重要な存在です。

では、望遠鏡を持っていないと天文を楽しむことができないのか。もちろん、そんなことはありませんよね。ギターが弾けなくても、ギタリストのファンになってもいい。

夜空に何か光るものを見つけた。名前は分からないけど、たぶん星だろう。

これで天文へのスタートラインは越えたも同然です。

「都会からは星が見えない」本当にそうでしょうか?望遠鏡がないことが、星を見ないことの理由になるでしょうか?街中からでも天文を楽しんでいいし、そもそも街明かりがあっても星は見えます。じゃあその背中を押してくれるのは誰なのか?

だから私は、動画の撮影を始めました。

執筆者紹介

執筆:リコット(リコットの天文学スタジオ)

YouTubeチャンネル「リコットの天文学スタジオ」:https://www.youtube.com/c/RicotAstronomyStudio

この記事はAstro Advent Calendar 2021の企画記事です。

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