【Astro Advent Calender2022 12/12】名古屋市科学館に行ってみた話(御茶ノ水学士)

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こんにちは。幸せになりたい、楽して生きていたい、御茶ノ水学士です。
突然ですがみなさんは名古屋市科学館に行ったことはあるでしょうか?
名古屋市の中心、伏見と呼ばれる地域にある、世界最大のプラネタリウムが存在する科学館です。
ちょうど1年ほど前たまたま名古屋に行く用事があり、名古屋市科学館に行ってみたのでご紹介します。

名古屋駅から近くて便利

僕自身、大学生時代は大阪に住んでいたので名古屋はある程度近い、はずだったのですが実は1度くらいしかまともに訪れた経験はありません。確か大学生特有の長い休みを利用して行ったはずなのですが、たまたま訪れた日が休館日だったこともあり、名古屋市科学館を訪れるのは本当に人生初ということで、大変楽しみにしていました(声優のライブのために名古屋を訪れていたというのは内緒)
名古屋市科学館は名古屋の中心街であり、有名な繁華顔「栄」と名古屋駅のちょうど中間地点である「伏見」と呼ばれる地域に存在しています。

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「白川公園」の中に現れる、巨大な球体が目をひく建物が名古屋市科学館です。

建物の全体像
名古屋市科学館。自然豊かな公園の中に、巨大な球体を持ったガラス張りの建物が現れる。(出典 : https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/2/)

プラネタリウムと天文館

科学館に着いてまず向かったのがプラネタリウムでした。
時期的なものもあり、キリストの誕生を知らせるように輝いたとされるいわゆる「ベツレヘムの星」(wikipedia「ベツレヘムの星」)の正体は何なのか?ということに関して天文の観点から考察するなど、非常に引き込まれる解説でした。

そんな解説を支えているのが、「MediaGlobe Σ SE」と名付けられたデジタル式プラネタリウム(名古屋市科学館の公式サイト)。膨大な天体の固有運動のデータを保有し、過去、未来の夜空の様子まで再現することが可能です。上述のベツレヘムの星の正体に対して、惑星の大接近説などを当時の夜空を再現しながら確認できる、というのは個人的にはかなりの推しポイントでした。

こちらはデジタル式プラネタリウム…ではなく、光学式の「ユニバーサリウムIX(9)型」と呼ばれる投影機。こちらと「MediaGlobe Σ SE」との合わせ技で、様々な表現を可能にしている。

プラネタリウムの下の階層には、天文館と呼ばれる、まさしく天文分野を解説したスペースが存在します。プラネタリウムの球体を一部用いた球形のスペースの形をしており、「地球」から「宇宙の果て」まで、円周上に沿ってスペースをたどっていくと徐々に扱うスケールが大きくなるようになっています(名古屋市科学館天文館5階-宇宙のすがた)。さながらウロボロスの蛇1のようで、個人的には懐かしく思えました。

天文館のパネル(系外惑星)。各分野それぞれ要点がまとまったパネルが配置されている。

個人的に面白かったのが、江戸時代の天文学の展示でした。天文学に限らず、当時の学問の多くは中国やオランダから輸入された本などに依存していた、というところは教科書で学んだ知識と矛盾しないものでしたが、紙で正確に作られた望遠鏡だったり天球儀から、その技術の高さと情報量としては決して多くないはずの海外の資料から正確に学び取ろうとする当時の日本の人々の情熱を見た気がしました。

紙製の天球儀。中国の星座が描かれている。

ティラノサウルス展も見た話

天文学とはあまり関係ないですが、企画展でティラノサウルス展をしていました。
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/visit/attraction/special_exhibition/post_80.html
(現在は終了。)
私は幼少期天文学に興味を持つ前は恐竜のオタクであったので、せっかくなら、ということでこちらも覗いてみることに。

ティラノサウルスに関連する話として、私が以前から抱えていた疑問に対する答えがずばり明確になり、大変満足でした。

  • 疑問1 : ティラノサウルスに羽毛はあったのか?

最近の学説とか図鑑を確認すると、羽毛に覆われたティラノサウルスの画像が出てくることがあります。そう、ありました。皆様も見たことある方おられるのではないでしょうか?

一時期話題になっていたティラノサウルス羽毛説の図。モンハンにいそう。(出典:http://netgeek.biz/archives/40612)

鱗に覆われたティラノサウルスを見て育った世代としては、このカラスみたいな姿のティラノサウルスを最初に見た時は若干ショックでもあったのですが、

諸説あるものの、ティラノサウルスには羽毛はない、というのが最新の有力な見解のようです。

現在ではティラノサウルスには羽毛はなかった、とするのが最新の見解のようで、安心(?)しました。

  • 疑問2 : ティラノサウルスの”手”は何に使っていたのか?

ティラノサウルスといえば、太い後脚で力強く獲物に迫る様子を想像する方が多いかと思いますが、申し訳程度についている前足(手?)にも重要な役割があったようです。言葉で説明するよりも見ていただいた方が早いかと思うので、下記の画像をご覧ください。

割と衝撃だった図。お前その手羽先みたいな足(名古屋だけに)で体重支えられるんかい。いや手羽先は美味しいけども。

いやお前その華奢な腕でそんなことできたんかい。解説によると、ティラノサウルスの前足は意外と頑丈だったようで、こんなふうに起き上がる際に体を支えていたほか、前足の鉤爪で獲物の肉を裂いたりしていたようです。ティラノサウルスの体重は約7トンくらい(日本大百科全書「ティラノサウルス」)あったことを考えると、衝撃ですね。

天文学に限らず、幅広く科学に触れることができるのがこういった科学館の良いところ。
1日では回りきれないほどの展示の多彩さで、大人から子供まで楽しめるところだと思います。
皆様も名古屋に行く機会がありましたらぜひ立ち寄ってみてください。僕もまた行きたい。

【宣伝】コミケ101で本を頒布します

前回の記事(https://einstein-cross.com/advent-202201/)でもご紹介した通り、2022年末に開催されるコミックマーケット101にて、我々アインシュタインクロスがサークル参加させていただけることになりました。
今回も「天文学が「ちょっと」わかる」をコンセプトに、天文学に関連する本を出します。

私の記事は実は、この記事でも触れている「江戸時代の天文学」というところをテーマに書いています。本に加え、前々回のコミケで作成して頒布した「フラウンフォーファー線見えマスキングテープ」も同時頒布します。

コミケ99で頒布したフラウンホーファー線見えマスキングテープ。反響が大きくて戦々恐々とした。

当日会場に来られる方は、お立ち寄りいただけたら幸いです!

執筆者紹介

執筆:御茶ノ水学士

Twitter:@sirius5135

URL:https://einstein-cross.com/

この記事はAstro Advent Calendar 2022の企画記事です。

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